⑤マルオ、不動産オーナーになる。

プロローグ
マルオ
マルオ

こんにちはマルオです。

現代の富の倉庫《証券口座》の家族分の準備が出来上がりましたが。実はそこに取り組む前に、我が家に大きな転機が訪れておりました。それは人生の3大出費【教育費・住宅費・老後費】のうちの住宅費

今回の話しは、1つの事を切っ掛けに大きな決断をして、僕が超小規模不動産オーナーになった話です。

実家の向かい側に分譲住宅が建つらしい

マルオの実家は、家から車で30分程度走ったところにあるのですが、久しぶりに実家に帰った時の事、道路の向かい側に不動産屋ののぼりが上がっているのに気が付きました。

父親に聞いてみると、向かい側にこれから分譲住宅が3軒建築されるとのことで、今から集客、募集が始まるとのことです。

それは、急に会社が倒産し、単身地元に出戻りになってからそろそろ十数年がたとうとしていた時で、それまで僕は親に月3万円の家賃を払う条件で、親が昔住んでいた築古の超狭小住宅に住んでいました。

当時は3人目の子供がお腹に授かった頃で「今の家は5人家族だとかなり狭いし…。もう少し広い家に住んでみたいな~。」なんてことを考え、本屋へ行き素敵な間取りの家の雑誌を見たりもしていて、お金は全然ないのですが、実家の近くならば父もすぐに孫に会えるし、妻も緊急の時に何かと頼れるのではないか、と思うととても魅力を感じました。

「話を聞くだけならお金もかからないから。」と思い、妻にその実家の真向かいの分譲住宅の相談をしてみると「うん、興味があるのなら聞いてみていいんじゃない!」と言ってくれて、僕はさっそく不動産屋さんに話を聞きに行くことにしました。

不動産の営業マンの将来設計・僕の将来設計

人生で最も高い買い物1位にあげられるマイホーム購入、自分には分不相応だと思っていたので今まで縁のない話だったのですが、せっかく関心を持てたのだからと思い、建築予定地に掲げられている看板を確認し、車をそこから20分程度走らせて不動産屋に入りました。

そこは、小さなオフィスに住宅情報がガラス戸にびっしりと貼られていて、年期の入った感じのする地元専門の会社のようで、「すいません。どこどこの分譲住宅の看板を見て興味が湧き伺ったのですけど」と声を掛けると、中から60~65歳くらいの長身細身の男性の営業マンが笑顔で対応をしてくれました。

ひととおり説明を受けると、なぜその物件に興味を持ったのか尋ねられ、「実は道路の向かいが実家で、何かと便利と思いましたので…。」とお伝えすると、細身のおじさんの雰囲気が一瞬変わったのを憶えています。

その日は、あとは地元のたわいもない話などをして家に帰り、妻に不動産屋さんの事を話し、後日妻と一緒にもう一度訪れました。

前回と同じ長身のおじさんが接客をしてくれて、話も煮詰まり、金額の話になり…。

ざっくりいうと3000万円位。

家って本当にすごい金額だなと思います。

僕は毎月の手取りが20万にも届きません、ボーナスだってそんなに多くない。

いかにこの営業のおじさんがすごい人だろうと、僕に3000万を払わせるのは無理だろうと思っていました。

しかし、おじさんは最初僕の収入事情を聞くと、少し難しい顔をしましたが、オフィスの奥に行き、どこかに電話をすると、しばらくして少し声のトーンをあげながら「何とかなりますよ!」と笑顔で言いながら戻ってきました。

「家を購入する場合、フラット35という35年ローンが主流なのですが、その制度を使ってボーナス払いを十何万円位に設定し、現在奥様は主婦をされておられるとのことですが、将来パートなどされることを見越して計算して…。だいたい月々が9万円くらいになります。マルオさんの収入だと本来厳しいのですが、ご実家への思いの話しも伺いましたので、僕も何とかしてあげたいと思い、僕の古い付き合いのあるローン会社にお願いして、今回だけ何とかしてもらえることになりました!」

そういって、ニコニコとされています。

当時の僕は、フラット35なんて知らなかったですから、まさか自分の収入でもこんな高額なものが購入できるのかと、驚きを隠せませんでしたが、同時に〈この人は、自分だからこの提案が出来ました!という感じを出してきたけど、これから何十年という長い年月、毎月9万払うのは僕たちなわけで、9万って僕の手取りの半分くらいで…、残りの金額で5人家族で生活するってこと?こんな低所得者にそんな提案して責任とれるの?売れればいいの?〉という感情が芽生えました。

今思うと、営業マンの方が提案してくれたのは、新築の家を購入するときのごくごく普通のプランで、たくさんの方々がそれくらいの住宅ローンを抱えて毎日の生活をしているのが、≪日本の当たり前≫だと知ったのですが、僕にはどうしてもその提案が受け入れられない、無責任な提案だと受け止められました。

そんな綱渡りみたいな生活はできない。

そう思い、後日丁重に営業マンのおじさんに、今回の件は見送らせてもらうことをお伝えしたのですが、今回の件で、「もっと広い家に住みたい…。」そんな思いがどんどん大きくなってしまいます。

父からの提案、十数年間の家賃で家を購入

その時に我が家に転機が訪れます。

父が今住んでいる家を購入しないかと話を持ち掛けてきたのです。

僕たち家族は、僕の親が昔住んでいた狭小住宅に毎月の家賃と称して3万円を親に払って生活していたのですが、父から「マルオ、3人目の子供も生まれるし、今後何かとお金も掛かるようになるだろう。今まで十数年間、マルオはきっちり家賃として振り込みをした。実は生前に母さんと、このお金はマルオとマルコさんが困った時に渡せるようにマルオの貯金のつもりにしようと話していて、今まで一度も手を付けずにそのまま貯金されている。このお金で今住んでいる家を購入しなさい。それで、家賃はもう払わなくていい。」

と提案をしてくれました。

まさしく青天の霹靂です。

そんなことを思ってくれていた両親に感謝するのと一緒に、40代にもなってまだ心配をかけていることに申し訳なくも思って…。

表立っては、十数年間の家賃の約400万円で、今の家を購入したことになりますが、僕にとっては親がそんなことを考えてくれていたとは知らずに、家賃の3万円を振り込んでいたので、実質その振り込みがなくなったということになります。

この件で年間36万円の出費がなくなりました。2年間で72万円、大きな節約です。

間違いなく、生活がぐっと楽になったのですが、僕の中に今芽生えている「広い家に住みたい。」という気持ちがどうしても止まらなくなっています。

そんな時に気が付きます。「親は僕に今の家を貸していた。それならば僕も貸すことができるんじゃないか?」

狭小戸建てはデメリットだが、メリットになるのではと気付く

今住んでいる家は、築40年くらいとかなり築古で、数年前に雨漏りの修理やシロアリ駆除をしたりしています。そして、戸建ですがとても小さい、土地面積は45㎡程度で2階建て、部屋は襖で仕切られているだけで1階に狭いキッチンダイニングと細長いリビング、2階は和室と洋室がつながっています。

とても幸運なことに駅に近く、10分ほど歩けばわりと大きな駅にアクセスできます。

賃貸といえばマンションとかアパートが頭に浮かんで、戸建ての家を貸すなんて発想は今まで全くなかったのですが、駅にも近いし、戸建てなので近所の騒音を気にしなくていいから子育てもしやすいし、幸い大学も近いので、少し贅沢な間取りを望む学生さんや、独身世帯なんかにも最適かもしれない…。

そんなことを考えると、我が家のニーズとはズレてきているが、世間的なニーズには十分に応えられると思いました。

試しに近くの賃貸屋さんに言って相談すると、「4.5万~5万で広告は出せそうです。」とのことです。

父は毎月3万円で僕に家を貸してくれていたので、相場よりも本当に安い相場でお世話になっていることがこの時改めてわかりました。本当に親の愛には感謝しかありません。

これで、賃貸が成功すれば4万円くらいの収入が見込めそうだと試算ができ、そこから次は、では自分のニーズに合った家をどうするかです。

中古戸建という選択

当時、子供が二人でしたが、とにかく子供は元気で声が大きい。

なので、どうしても周りへの騒音でご迷惑をおかけするストレスを考えると、今更アパートやマンション暮らしは夫婦二人とも考えられないということで一致しました。

かといって、新築の家なんて絶対に建てられない…!

この前の実家の近くの分譲住宅の件で、どうやら僕たちは3000万円くらいまでならばローンを組むことが可能だということが分かったのですが、住宅ローンに縛り付けられるような生活もどうしても考えられない。

35年間、平穏に暮らせることが、100%確定していれば考える余地もあるのかもしれません。

しかし、僕自身が倒産を経験していて、そんな保証はどこにもないことをよく知っています。

どう考えても僕には大きすぎる金額です。

悩んだ末、僕たち二人が行き着いた答えは、

≪父が今まで僕たちにしてくれたこと、そして自分が今後やろうとしていること、築古の物件一戸建てを探す≫

という結論でした。

これならば、もしも条件が合うような物件があれば、資産を大きく取り崩すことなく、希望である〈騒音を気にせず・今よりも間取りの広い家〉を探すことができます。

幸い、今は空き家が増えてきております。検索してみると、意外と物件が多いことに気が付き、妻と戸建て中古賃貸物件を回る日がしばらく続きます。

差益でプラスと考える

妻と一緒に何件か中古戸建の物件を見学に行き、2軒自分たちの条件に合うような物件に巡り合えました。

両方とも土地面積は約100㎡で今までの住居より倍近くの広さです。

そのうちの1軒は築38年ほどの物件で、築古ですが家の周りの3面が道路と空き地になっており隣接するお宅がなく、しかも坂道に建てられているので隣の家とはかなりの段差があり目線が合わず、2階から見た景色がとても見晴らしがよく気持ちがいい、しかも、駅からは今までよりかなり遠くなってしまいますが、教育施設やスーパーが近く、何より僕の会社に随分と近くなりました。

引っ越しの前にハウスクリーニングをしてくれるとのことで、そちらが完了次第すぐに引っ越しが可能と言ってくださり、さっそく準備に取り掛かりました。

幸いなことに市内の引っ越しで、急にすべての荷物を移動する必要もありませんでしたので、車で少しづつ、何回かに分けて荷物を運び引っ越し代は最小限ですみました。

子供たちは、家の中で走り回って大喜び、つい先日まで現実に引っ越しするなんてことは思ってもみなかったことですので、僕も妻もとてもテンションが上がったのを憶えています。

さあ、次は今まで住んでいた家を、無事に賃貸に出せるかです。

これまで父に支払っていた家賃が3万円、引っ越しをした築古物件の支払いが毎月4万3千円ですので差額は1万3千円の赤字ですが、その差額で我が家のニーズが満たせたことを考えると、十分大満足です。

しかし、さらに家を貸すことで、プラスに持っていきたいと思いました。

人様に家を貸せるように部屋の天井のペンキ塗り直し、壁の漆喰をはがして塗りなおしたり、トイレに温水洗浄便座をつけると人気が出ますよ、とか不動産屋さんのアドバイスを聞いたりして実行し、棚をとったりライトを変えたり、カーテンレールを付け替えたり…。何せ、雨漏りがするくらいの状態でしたので他にも部分部分でガタが来ており、リフォームの必要がありました。

リフォームを業者に頼むとかなりの額がかかりそうでしたので、自分の勉強にもなると思い、リフォームの仕方を本で読んだりYouTubeを見たりして、仕事が終わってからコツコツとDIYするという日が1か月くらいあり、「これならば貸し出せるだろう。」と自分が思えるところまで完成しました。

ここで、僕は気が付きます。

今は本当にYouTubeが充実していて、調べればプロのノウハウも学ぶことができ(例えば漆喰を塗るにも手の動かし方とか手順とか、昔だったら絶対に簡単には学べなかったと思います。)それに、やればやるほど、実際に家がきれいになるのは本当に嬉しい!!

  • ノウハウを学ぶ方法
  • 自分は意外と掃除が苦でない

これはもしかして、商売になるんじゃないか…。

そう思って、これをきっかけに副業を始めていくのですが、それはまた別の機会に話します。

住んでいた家を賃貸物件化し、あとはどうやって貸すか、というところまで来たのですが、ここが以外にすんなりと決まりました。

地元の不動産屋さんに物件を53000円で出してみたのですが、45000円ならばという男性の社会人の方が興味を持ってくださり、最終的に48000円で貸し出すことがすぐに決まりました。

正直、すぐに決まったのは時期が良かったこともあるかと思いますが、本当にラッキーだったと思います。

とにかくこれで、もともと家賃3万円だった僕が

住宅ローンが毎月43000円、賃貸で得られる収入48000円 → 差額毎月5000円プラス

という超小規模不動産オーナーに変身をすることが出来ました。

そしてさらに、不動産のオーナーとして契約をするなかで、不動産関連の仕事に興味を持ったのです。

中古戸建を探したときに思った「意外なほどに空き家が多い…。」

これと楽しかった家がきれいになる体験、これを足して何かができないか…。

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